最新の塩素殺菌とオゾン殺菌の効果に関する講演会
日 時:平成18年7月11日 13:30〜14:45
場 所:高知県保健衛生総合庁舎
テーマ:オゾンの安全性とオゾン利用の展望
講 師:摂南大学薬学部 中室 克彦 教授(日本医療・環境オゾン研究会長)


 最近注目されているオゾン利用についてオゾン研究の第一人者である摂南大学の中室克彦教授(日本医療・環境オゾン研究会会長(元厚生労働技官)http://ozone.fixa.jp/)をお招きし、「オゾンの安全性とオゾン利用の展望」をテーマに講演をして頂きました。
 中室教授は三洋電機(株)の「オゾンを利用した洗濯機の性能向上〜洗浄評価の有効性を検証」をされているなど、様々な卓越した研究成果をあげていらっしゃいます。オゾンに精通した中室教授から直にオゾンについてのお話を聞くことができ、またオゾンについて理解を深めることができました。





[挨拶] 高知県副知事 中西穂高氏
『高知県産業技術委員会・完オゾ勉強会の
位置付けと環境産業振興について』




[講演] 中室克彦教授
《テーマ》オゾンの安全性とオゾン利用の展望
      ・オゾンの安全性
      ・食品添加物に使用
      ・オゾン医療治療事例(褥瘡・疥癬)



《バイオフィルム発生のメカニズム》
 バイオフィルムは、従属栄養細菌によって形成する。塩素消毒を行っても生ずるバイオフィルムは、従属栄養細菌などに由来する耐塩素性細菌である。一般に、浴槽の汚れフロッグ(人体の脂・垢等)に対して、殺菌のために用いた塩素が作用して塩素耐性細菌を生成し、バイオフィルムが発生する。オゾン殺菌においては、メカニズムから考えて耐性菌が生成しないためにバイオフィルムが形成しないと考えられている。
(摂南大学薬学部教授:中室克彦先生:談話平成18年11月3日)


 
塩素殺菌で管理している循環システムの配管内部。
配管の内壁にはバイオフィルムが隙間なく...!!
 
完オゾ循環システムの配管内部
上図に見られるようなバイオフィルムは全くありません!




〜バイオフィルムについて〜


バイオフィルムモデルを用いたオゾン水による除去効果に関する基礎的検討

立川眞理子、手塚雅勝、中室克彦(日本大学薬学部、摂南大学薬学部)
(日本医療・環境オゾン研究会にて発表/第11回研究講演会要旨集掲載)




環境常在菌(Pseudomonas aeruginosa,Pseudomonas fluorescens)から簡易に形成させたバイオフィルムモデルを用いて、オゾン水による殺菌除去効果を検討した。バッチ式暴露ではオゾン水の効果を正しく評価できないことを示し、連続的な暴露装置を用いて、オゾン水のバイオフィルムに対する殺菌効果評価を行った。

(中略)暴露時間が5分になると差は大きくなる傾向が示された。これらの結果から、水中の殺菌剤の効果を評価に使用できることが考えられた。
(中略)p.fluorescensではオゾン濃度0.92mg/Lと1.35mg/Lではほとんど差がなかったが3.2mg/Lになると暴露時間に伴う生残率の著しい減少が観察された。
《第11回研究講演会要旨集より抜粋》






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