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2010年3月号の社説
日本の洗濯
「汚れ」の仕組み


癒着・縦割りの実例
今、地球環境問題、就中(なかんずく)、「水」の確保は人類生存の絶対的な最重要課題とし、政府(経産省・厚労省・国交省)は、治水ダム・工業用水・社会 福祉施設の浴槽水の再利用等に補助制度を設け、水資源の有効活用の普及を促進しているが、この省内部で、戦後60年経った今も、水面下で、癒着(ゆちゃ く)や「旧態依然の縦割り」が残存して「※二律背反(にりつはいはん)」・「※本末転倒」等、制度運用に弊害を齎(もたら)している。 その一つ、目的が歪んだ厚生労働省の実例の情報を入手した。

癒着の証
平成8年頃、浴槽の排水から塩素に起因するトリハロメタン等の発癌性問題等が発生し、塩素の多量使用は頭髪や皮膚等に悪影響を及ぼし、菌の耐性化により殺 菌効果は減少、水系ウイルス(耐性レジオネラ属菌・ノロウイルス・アデノウイルス等)に効果は無い等の因果から、国際的にも世論は、塩素は使用しない方向 に傾いた。当時、厚労省社会援護局・老健局は全国の高齢者・障害者福祉施設に「水資源の有効活用」・「施設排水の環境保全」の趣旨で塩素不使用で環境に優 しい殺菌方法を、助成制度を設けて奨励。この趣旨に適合した、塩素不使用、水の使用量が極めて少ない方式として世界で始めて実証確認された「※完オゾ殺菌 方式」等、塩素不使用方式等を対象に進めていた。

本末転倒の証
「水」の殺菌方法として戦後一貫して塩素殺菌のみを推進している厚労省健康局・通産省生活産業局は「24時間風呂衛生問題検討専門家会議(第1回平成8年 12月)」を、立ち上げ4回の検討会議を開催。平成10年頃より、家庭用・業務用24時間風呂に、レジオネラ菌死亡事故が多発、社会問題となったため、 「処理方式の是非(有効利用等)より、レジオネラ殺菌方法を優先する検討が行われ、「レジオネラ症防止対策について」(平成11年11月26日)「循環式 浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて」(平成13年9月11日)「レジオネラ症患者の発生時等の対応について」(平成14年9月3日)入 浴施設におけるレジオネラ症防止対策の実施状況の緊急一斉点検について(平成14年9月20日)と次々に通達を発出した。その【要約】は「社会福祉施設に おける・浴槽水の消毒を、遊離残留塩素濃度0.2〜0.4mg/lを1日2時間以上保つ。浴槽の換水は、原則毎日、浴槽水の汚染状況を勘案して一週間に一 回以上完全に換える」等。何故か塩素殺菌に固執しているように見え、本来の水資源の有効活用でなく、二次的な「換水期間」や殺菌方法を優先し塩素使用等、 塩素系企業に有利な本末転倒の指針の発出に疑念が湧く。

本命は置き去り
本来の助成対象となるべき循環可能で最有力な、「※完オゾ殺菌稼動施設」は前記の指針を受けて、地方自治体の監査を受け、水の再利用、及び環境に懸念があ るとして、週に1回の換水や塩素殺菌使用の指導、指導に反し『補助金適正化法』に抵触すれば、場合により、補助金返還命令の対象となる恐れがあると指摘さ れると聞くと益々疑念が湧く。(完オゾ、寺尾氏)

洗濯の方法
今、政権が交代した。 政府の行政刷新会議の事業仕分けの如く・今こそ、地方議会でも県民の前で透明な議論を実施すべきだ。そしてこの「レジオネラ症防止対策について」(指針) が、何故・何時・誰が・どのような議論を経て「塩素殺菌濃度」「浴槽換水」を決定したのか明確にすべきである。本来の趣旨が曲げられたまま、これが条例化 されれば、今後も本末転倒の施策が公然と通り、腐敗は拡大するのは必至だ。福島県、石川県、山梨県、長野県は、未だ条例化されていないと聞く。今、長野県 議会で、このレジオネラ条例の議論の最中だ。地方議会から真の日本の洗濯が始まる事を期待したい。

縦割り・二律背反の本拠
戦前、内務省の内部部局の厚労省は、戦後、独立した厚労省に、環境庁(現環境省)はこの厚労省から細分離独立したことで、共通課題に一体化した施策は取り難い隙間が見え、公衆衛生担当は厚労省、温泉担当は環境省、機械装置は経産省等、二律背反の因になる図式だ。

おわりに
永遠に生きた龍馬
多くの国民が、「龍馬式洗濯」を求めているためか大河ドラマ『龍馬伝』がブームだ。土佐藩(高知県)の桂浜の坂本龍馬銅像の建立者の一人、入交保好翁の石 碑『考える村』に『社会は習慣になれて行きつまる、これを打破し改造するは 青年の任務である。日本改造のために一命をすてた龍馬は、ついに永遠に生き た、思想は永遠のながれである、敢えて、龍馬の思想は問わない』と刻まれている。 (西川)
※二律背反(にりつはいはん):二つの法則が現実的であれ、見かけ上であれ相互に両立しないこと。(フリー百科事典)
※本末転倒:大切なことを見失い、そうでないことに目を奪われること。
※完オゾ殺菌:塩素を使用せず「余剰オゾンを100%熱処理によって、オゾンを酸素に変化させる安全確立に成功し、水中のオゾン濃度0.3ppmでもレジ オネラ菌の殺菌効果がある」と世界で初めて確認したことが発表され全国の関係省庁に既に広く紹介されている(参考:フジサンケイビジネスアイ07・8・ 6)

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